個人確定申告の日米比較

米国の確定申告の概要

確定申告には、日本と同じ様に個人、法人、売上税、等の種類がありますが、
日本との一番の違いは、連邦税と州税の申告の義務がある点です。

州によっては、ワシントン州やフロリダ州の様に所得税が非課税の州もありますが、
多くの州では、連邦税と州税の申告と納税を同時に行いますので、
両方の税金を合わせると、累進課税ですので、高額所得者の場合40%前後になる事もあります。

日本と米国の税率を比較する場合、日本の国税と地方税の税率と連邦税のみを
比較しても正確な比較にはならない事は注意点が必要です。

但し、税法上の非居住者の場合は州税の申告義務はなく、連邦税のみとなります。

例えば、市民や永住権保有者で海外在住の場合は連邦税のみの申告となりますが、
在住国で納税と申告をしている場合は海外所得控除や外国税額控除により
実際には米国への納税が発生しない場合が多くなります。

米国居住者(市民や永住権保有者)は、世界中どこに在住していても、
納税額がある場合は米国への確定申告の義務がありますが、この点も日本との大きな違いです。

海外に在住していたとしても税法上は「米国居住者」と呼ばれるのです。

但し、日本でも米国でもコンサルティング所得等で「当該国に由来する所得」がある場合でかつ、
支払者側が受領者を非居住者として支払調書上で報告していない場合、源泉徴収されて
確定申告をする事が求められる場合があります。

さて、米国の場合、個人確定申告に関しての基本として、米国への納税額がなければ、
ペナルティーや延滞利息も発生しませんので、申告をしなくとも問題はありません。

しかし、お金以外の不利益が生じる事もありますので、注意が必要です。

例えば、永住権保有者が海外在住の為に確定申告を怠っていると、
再入国許可証や永住権更新や市民権の申請の際に「居住者としての義務を果たしていない」と
みなされ、それらの審査にマイナス要素となる可能性があります。

税金の事にのみ気を取られていると、法務的なステータスで不利益を
蒙る事がありますので、注意が必要です。

市民権の申請フォームには、納税申告の義務を果たしているか、
報告する欄もありますので、その時になってあわてて、過去数年分に渡って
確定申告書をまとめて作成して提出する様な事にならない様に、
事前に毎年の申告をしておいた方が良いでしょう。

また、海外在住の場合、Foreign Income exclusion(外国所得控除)の適用により
米国への支払いが発生しない場合でも、確定申告の必要があります。

つまり、この特例を利用したからこそ、税金が免除された事を証明する必要が
あるという事です。外国税額控除の適用のみで、税額ゼロになった場合は
申告の必要はありません。

日米の比較で、もう一つの違いは、米国ではMarried filling jointly(夫婦合算申告)
の制度がある点です。より大きな定額控除が取れます。

Married filling jointly(夫婦個別申告)を選択する事も出来ます。
場合によっては、こちらの方が有利になる事もありますので、試算が必要です。

個人確定申告の手順

米国の個人確定申告の期日は、毎年4月15日です。
15日が土日や祝日の場合は、その次の平日になります。

日本は3月15日が確定申告の期日ですが、この3月15日は
米国では法人の確定申告の期日となっています。

申告の対象となる会計期間は個人も法人も1月1日~12月31日の暦年(Calender Year)です。

6か月の延長申請をする事も出来ますが、納税が遅れるとペナルティーや利息が
発生します。但し、延長申請をする事により申告遅れに関するペナルティーと利息は免除されます。

4月15日には「申告義務」と「納税義務」があり、
延長申請により前者は免除されるという事です。

勿論、納税金額が無い場合には、上記のどちらのペナルティーも利息も発生しませんが、
上記で説明した様に、永住権保有者は申告だけはしておいた方が良いでしょう。

また、その他で申告する必要がある無いについては、下記にて説明します。

申告義務が発生する条件

毎年、Standard deduction「基礎控除」の額が変わりますので、
その条件は毎年変動します。

2018年度の場合:

Single(独身)  $12,000以上
Married filling jointly(夫婦合算) $24,000以上
Married filling separately(夫婦個別) $5以上
Head of Household(独身家長) $18,000以上
Qualifying Widow(寡婦) $18,000以上

確定申告に必要な物

1、Social Security Number(社会保障番号)

日本でも2016年度申告分よりマイナンバーの記載が必要となりましたが、
米国では以前から社会保障番号が納税番号として使われています。

2、Form W2, Form 1099等(源泉徴収票や支払調書等)

郵送で申告する場合は、これらの証明書を添付する必要がありますが、
Form 1099の場合、源泉徴収されていない場合は添付する必要はありません。
電子申告の場合は、3年間は自分で保管しておきましょう。

3、Medical Expenses, Property tax等(控除の証明)

これらの書類は、申告書作成時の計算時に必要ですが、提出する必要はありません。

まとめ

1、日米の確定申告の違いには、州税の有無と居住者概念の違いと申告ステータス等がある。

2、支払い税が発生しなければ申告する必要は無いが、永住権者は毎年申告した方が良い。

3、個人確定申告には社会保障番号や源泉徴収票や支払調書や控除の資料が必要となる。

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