海外預金の利息や投資所得の課税

海外預金の利息や投資所得の申告方法

海外口座への所得は、日本では非課税と思っている方もおられますが、
全てが非課税という訳ではありません。
日本の税法では、日本の居住者であれば海外からの所得も課税対象となります。

海外預金の利子に関しては、利子を得た日の為替レートで換算されて、
雑所得として他の所得と合わせた総合課税の税率で申告する必要があります。

日本の金融機関の特別口座を通して得た、海外預金の利子については、
その口座から、日本の金融機関が20%の税率で源泉徴収する事により納税は
完了しますので、確定申告の必要はありません。

通常、雑所得には利子所得は入りませんが、自分で直接開設した海外預金口座から
の利子の場合、日本で源泉徴収出来ませんので、雑所得として総合課税となるのです。

総合課税の場合、他の所得が高額の場合、高い税率で課税される事になります。
つまり、総合課税で20%以上であれば、国内の外貨預金利息よりも税率が高くなる
という事です。

しかし、海外預金の方が利息の利率が高いので、一概に税率だけでは
どちらが得かは判断出来ません。

また、年収2000万円以下の給与所得者の場合は、20万円以下の雑所得を
申告する必要がなく、フリーターや主婦の方で年収が65万円以下の場合は、
38万円の基礎控除以下であれば雑所得を申告する必要がありません。

さらに海外の銀行利息は非課税の国も多く、
この20万円、38万円という金額内においては、
日本でも海外でも非課税で運用が出来るという事になります。

海外の投資所得に関してですが、株式や債券や投信からの所得の内
配当に関しては、上記の様な利子と同じ扱いで、
売却益に関しては確定申告書上での分離課税となります。

海外の配当に関しては、日本企業と違い配当金控除が認められない事が留意点です。

国内の外貨建て預金と海外口座はどちらが得か?

海外口座からの利息は、総合課税により、分離課税で源泉徴収される日本の銀行での
外貨建て利息よりも税率が高くなる事もありますが、利率が良いので、
預金額によってはトータルで見た場合、日本の外貨建て利息よりも利益が多く残る事が
多いので、事前に計算してみた方が良いでしょう。

預金額に各利息を掛けて予想利息額を算出し、そこに総合課税の税率と
分離課税の各税率を掛けて、比較して、どちらの方が利益が多く手元に残るかを
比較するという方法です。

海外オフショア口座情報とCRS制度

5000万円以上の資産を海外に持つ場合は、
2014年移行、「国外財産調書」という報告書を税務署に提出する義務がありますが、
それ以下の金額であっても、色々な理由から国税庁がその情報を捕捉する事が
多いのが現状です。

又、「日本の税務署に分からないだろう」という事で意図的に申告をしない方も
おられますが、そこからの資金を日本の口座に送金する際に銀行の情報を
税務署が把握して、管轄の税務署から質問状が来ます。

一定金額以上の海外送金は銀行が税務署に報告する仕組みになっているのです。

「この海外からのお金は税金の申告をしていますか?」という内容です。
つまり、「申告漏れであれば、申告しなさい」という通告です。

日本より税率の低い国で既に源泉徴収されている場合は、
日本の確定申告書上で「外国税額控除」といって、外国で支払い済の
税金については、差し引く事が出来ます。

これは、海外口座のある国や銀行によって違いますが、
非居住者の口座からは源泉徴収されない事もあります。

又、2017年にOECD加盟国内を中心に共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)」が
公表され、日本もこのルールに準拠する事となりました。

簡単に言いますと、2017年より、金融機関で口座を開設する際に、
その人が非居住者であれば、その情報が居住国に報告されてしまうという事です。

CRS基準での報告内容:口座保有者の氏名、住所、納税者番号、口座残高、利子・配当等

海外口座開設の際に日本のマイナンバーを要求されるケースが増えていますので、
その口座の内容は、日本の国税庁に報告が行くという事です。

2018年度の時点でCRS加盟国はOECD加盟国を中心に世界101の国と地域です。

興味深い事に、米国と中国は加盟していません。

米国に関しては、以前から自国民の1万ドル以上の残高の海外口座に関しては、
罰則を含む報告を義務付けていますし、既にほとんどの国に
自国民の金融情報の提供を要請しているので必要ないという事なのでしょう。

まとめ

1、利子所得と配当所得は雑所得として総合課税の税率で課税されます。

2、年収2000万円以下の給与所得者の場合は、20万円以下の雑所得は非課税。

3、株式や債券や投信の様な投資所得の内、売却益は分離課税で確定申告する必要がある。

4、海外口座の報告義務や銀行からの高額国際送金の情報により税務署は把握します。

5、2017年より共通報告基準CRSによりOECD加盟国間では口座情報が居住国に報告されている。

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